自然素材の家が体にやさしい理由!内装材に採用するメリットとは?
毎日多くの時間を過ごす家の環境は、住む人の健康に大きな影響があります。心身ともに健康に暮らすためには、化学物質をできるだけ使わない、自然素材の家がおすすめです。この記事では、そんな自然素材のメリット・デメリットについて紹介しているので、これから注文住宅を建てる方や自然素材の家に興味がある方はぜひ参考にしてください。
シックハウス症候群は家が原因?
シックハウス症候群とはどのようなものなのでしょうか。まずはシックハウス症候群の症状や原因について説明します。
シックハウス症候群とは
シックハウス症候群とは、家の中の化学物質で汚染された空気を吸うことで眼や鼻、喉、皮膚などの刺激症状や頭痛、倦怠感といったさまざまな体調不良を引き起こすことです。シックハウス症候群は家が原因で発症するため、家から離れると症状が軽くなったり消えたりするという特徴があります。
シックハウス症候群の原因
昔の日本の家は風通しのよいつくりでしたが、最近は省エネルギー化に向けて住宅の高気密化・高断熱化が進んだため、建材や日用品から揮発する化学物質が室内に充満し、居住者が大量の化学物質を体内に取り込んでしまう環境となっています。
こうした化学物質のほかに、湿度が高いことで発生するカビやダニもシックハウス症候群の原因となります。シックハウス症候群を防ぐためには、化学物質を発生させない自然素材を用いた家づくりがもっとも効果的です。
体にやさしい自然素材
内装にできるだけ自然素材を使用すると、シックハウス症候群やアレルギーのリスクを軽減し、素材の温もりを感じられる、体にやさしい住まいをつくることができます。具体的には、無垢の木材や漆喰、珪藻土、天然リノリウム、コルク材などの素材がよく使われています。内装に自然素材を採用すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。
湿度を調節する
無垢材や漆喰、珪藻土にはすぐれた調湿効果があるため、夏の湿気や冬の乾燥を防ぎ、一年中快適な湿度を保つことができます。カビやダニ、ウィルスが発生しづらい環境をつくってくれるので、健康的な暮らしができるでしょう。
においを吸収する
珪藻土や無垢材には、空気中のにおいを吸着する効果もあります。ペットを飼っている方にもおすすめです。洗濯物の部屋干しによるじめっとしたにおいや、魚を焼いた後のにおいも部屋に残りにくく、住み心地のよい家となります。
防火対策にもなる
漆喰や天然リノリウムは燃えにくい素材で、万が一、燃えても有害物質が発生することがありません。こうした素材を用いることで防火対策にもなり、家族の安全を守ることができます。
味わいのある美しさ
漆喰の壁や無垢材の床には、自然素材独特の味わいがあります。漆喰の壁は「呼吸する壁」ともいわれ、年月を重ねながら徐々に固まっていくため、だんだん趣深くなり、住めば住むほど愛着がわく美しさも魅力的です。無垢材は肌ざわりがよく、時間が経つにつれて飴色に変化して美しさが増していくという特徴があります。
デメリットも知ってうまく活用しよう
さまざまなメリットがある自然素材ですが、同時にデメリットも存在します。デメリットとしてとらえられる点もしっかり把握したうえで、うまく活用するとよいでしょう。
コストがかかる
自然素材は、人工素材と比べるとどうしても割高になります。ハウスメーカーにおいても、自然素材は標準仕様ではなく、オプションとして追加料金が発生する場合が多いため、総じてコストがかかります。
コストを抑えたい場合は、自然素材を使用する部分を厳選するなど、予算に合わせて調整するとよいでしょう。また、漆喰の壁などは将来的にリフォームが必要になることがないので、初期費用こそ高くはなりますが維持費が抑えられるというケースもあります。
工期が長くなる
漆喰や珪藻土を使う場合は、仕上げに必要な工程がいくつもあるため、施行に時間がかかります。入居時期が決まっている方や完成を急ぎたい方にとってはデメリットとなり得るため、注意が必要でしょう。
メンテナンスに注意が必要
珪藻土や漆喰は、乾燥によりひび割れを起こしやすいという特徴があります。また、キッチンや脱衣所など滑ると危険な場所の床に適している天然リノリウムは、アルカリ性に弱いため、中性洗剤で掃除をする必要があります。自然素材の家は、特性に合わせた日々のメンテナンスを心がけると、その快適さを維持できるでしょう。
家づくりにおいて、デザインや機能ももちろん重要ですが、その家で長い間健康に暮らすということはもっとも大切なことではないでしょうか。せっかく建てた家なのに、シックハウス症候群になっていまい、建て直しや引越しを余儀なくされてしまったというケースもあります。こうした事態を防ぐためには、建てる前にしっかりと情報を収集し、知識をつけておくことが重要です。自然素材の家づくりを得意としている会社を選ぶなど、健康に配慮した家づくりを検討してみてはいかがでしょうか。